聞いたことがない? 毎年……オヤシロさまが祟りをくだす、というもの。
 さて、信じる人はこの中に居るかしら?
 雛見沢村の住人――特にお年寄りの人達は熱心な信者達らしいけど。

 あなたは、オヤシロさまの祟りなんてあると思う?
 
 ……言い方が悪かったわ。
 正確には、オヤシロさまの祟りは本当にオヤシロさまによって起こされたのもなのか、という事ね。

 一年目、二年目、三年目、四年目、……そして……五年目。

 毎年毎年、オヤシロさまも飽きずによくやるわね。
 尤も、それがオヤシロさまによるものなのかは、別。

 『誰』が起こしたのか、もしくは『何』が起こしたのか。
 まったく分かっていない、そして個々の事件は解決しているように見えるけど、実は解決していない。

 雛見沢村に起こっている、連続怪死事件。


 その祟りに……彼は自ら挑むと言い、その場所へ向かっていった。
 彼がその内容を知っていたかどうかは、ともかく……ね。



 選んだのはあなた自身。
 頑張りなさい。せいぜい、精神をボロボロにされないように。

 ねぇ。前原圭一君?








「……また会おうぜ」
「……ええ」



 ギィィィ  バタン。










 さぁ。
 今……彼は扉をくぐったわ。
 

 前原圭一による、地獄めぐりは今ここに開幕したわ。


 ……美味しくなるかも、台無しになってしまうかも、全ては彼次第。





 さて……どうなるのかしらね。

 クスクス。……楽しみだわ。




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