来た・・!!
ついにこの日が来た・・!!
綿流しのお祭りだ!!

「綿流し五凶爆闘・・・。」

・・・よぉぉし・・!!気合入れて暴れまわるぜ!!



・・グ〜・・・。
・・・意気込んでみたはいいものの・・腹が減ったな。
というかお祭りは夕方からだ。・・・まだ朝だしな・・。気合を入れるにはちと早い。

「とりあえず飯を食うか。腹が減っては戦もできぬ・・・だ。」
俺は一階に下りようと立ち上がった。

「・・???」

ガクッ

バランスが崩れてしまい、その場に倒れてしまう・・。
「あれ・・?疲れてるのかな・・?   ・・飯食ったらもう一度寝ようかな・・。」
なんせ今夜は暴れまわるんだ。
すでに疲れてるんじゃ話にならなない。よし!そうしよう!
俺は無駄に決意を固め、一階へ向かった。


「圭一おはよう。よく眠れた?」
「・・・いや。まだ疲れてるみたいなんだ。さっき、立とうと思ったらバランスが崩れちゃって転んじゃったんだよね。」
「へぇ・・?病院行ってみる?」
「いや。いいよ・・。これ食ったらもう一眠りするからさ。」
「そう。ゆっくり休みなさい。」


パクパクっと。


「ごちそうさま!」
食った食った。
寝るかぁ。

俺は自分の部屋に戻って布団にもぐりこむ。
そして俺は眠りにつく・・・・。





ピチャッ・・・・。

何かが飛び散る。
何だ?

・・・赤い液体。

何だ?

・・・黒ずんでいく。

何だ?

飛び散って・・・ポタポタと落ちて・・・。

何だ?
・・・・どんどん・・黒ずんでいく・・。


・・・・ナンダ・・・?

飛び散る。
飛び散る。
飛び散る。

世界が・・赤から・・黒へ染まってゆく・・・


・・・そう・・。一寸先は闇。
このときほどこの言葉が似合う時はないだろう。
言葉が持っている意味が似合っているのではない。
「一寸先は闇」という言葉をそのまま当てはめたかのような・・。
そんな黒が・・俺を包んでいる。



ぺた。


・・・・何だ?・・・何か・・聞こえる・・・。



ぺた。

何だ?

ぺた。

何だ?

ぺた。

・・・ナ ン ダ ・・・?


ぺた。


・・・・・理解した・・。
俺の脳みそは・・ようやく理解した・・。

足音だ。

俺を包む漆黒の闇が・・俺の思考回路を鈍らせる・・。

ぺた。
近づく。
ぺた。
近づいてくる。
ぺた。
何に・・?
ぺた。
・・・俺に・・。



いる。



俺の後ろに・・・そいつは・・。

・・・どうする・・。・・・振り向いてみるか・・?
・・・いや・・。振り向いても・・この黒が支配する世界で見えるのだろうか。

・・・。
・・ええい・・。逃げるな・・。
逃げるな!前原圭一!!
怖くなんかない・・怖くなんかない。怖くなんかない怖くなんかない怖くなんかない!!!
振り向け・・振り向くんだ・・振り向け振り向け振り向け振り向け振り向け!!!!!!!
振り向いてやる。振り向いてやる!!


「・・・・え・・・?」


何も・・ない。 そんな・・たしかにいたはず・・。


ポタッ

何だ?
ポタッ
何だ?
ポタッ

音がする・・・・。
何の? この音は・・何の音だ・・。

ポタッ

頭の上に・・何かが落ちる・・。

ポタッ

それは・・・。
ポタッ
次第に・・・。
ポタッ
早くなって・・・。

頭の上に何かが落ちる。
ポタッ
落ちたものは俺を染めていく。
ポタッ
俺の頭に落ちたものは・・・垂れて・・今度は顔を染めていく・・。

赤く・・染まってゆく・・・・。


赤く染まる。
どんどん・・あふれてきて。
赤く染まる。

世界が・・赤く染まっていく・・。



ぺた。


・・・・・?


ぺた。

・・・・・。
ぺた。
・・・・・!!!
ぺた。

それは・・・目の前に現れた。


ナ ン ダ コ イ ツ ハ


理解できない。理解できない。理解できない。理解できない。理解できない。
唐突に現れたそれに・・・俺の脳は理解を遅らせた。


赤く染まってゆく
赤く染まってゆく
赤く染まってゆく

染まり行く中・・・俺は・・・それを・・・。


理解・・・した・・。




「うわああああああああ!!!!」





・・・・・。
目を覚ました・・・。
俺は・・。・・・夢を・・見ていたのか・・。
「汗で気持ち悪りぃや・・。」


・・・理解した・・。
理解したはずだ。・・あの時・・・確かに・・。
「思い・・出せない・・。」

なぜ俺は夢を見るんだ・・?
いや・・・何故見た夢を拒むんだ・・・?
俺には・・今さっきまで見ていた夢を思い出すなと脳が言っているようにしか思えない・・。
事実・・一度・・・完全に拒絶したからな・・。

・・・嫌な予感が・・する・・。


カナカナカナカナカナ・・・。

カナカナカナカナカナ・・・。

ひぐらしが鳴いている・・。
日が傾きかけてるな・・・。

・・・・・・・。

「あーーーーっ!!!わ・・綿流し・・!!」

ヤバイ・・!!
もうすぐレナが来ちまう・・!!!





「圭一くぅーんっ!」
「ちょ・・ちょっと待ってくれ!レナ!」

ちょうど汗を流した頃にレナがやってきた。

「よし!暴れる準備はできたぞ!後は現場に向かうだけだぁああああ!!」

「圭一をよろしくね。レナちゃん。」
「は・・はい!こ、こちらこそ・・ふつつかものですが・・」



「何の話をしとるんじゃああああ!!!」



「いってらっしゃーい!お母さんも後から行くからねー。」

「いってきまーす!」
「いってきまーす!お母様〜☆」

・・・・・・。

もうつっこむのもめんどくさいな・・。
からかってみるか。

「いいねぇ・・レナと共同生活かー・・。」
「え・・?え・・?・・はぅ・・。」

真っ赤に赤面している。
・・・いちいちかわいい奴め。

「冗談だよ!ほら、行こうぜ!」
「はぅっ・・・!・・冗談なのかな?かなっ?」

「何ぼーっとしてんだよ!行こうぜ!」
「う・・うんっ!」



レナと古出神社へ向かう。階段の下からでも、綿流しのお祭りがいかににぎやかなのかが見て取れる。
実際、入り口であるこの階段にもかなりの人がいる。

「雛見沢ってこんなに人がいたんだな。」
「うん。今日のお祭りには村中の人が集まるからね。興宮から来てる人もいるんだよ!」
「へぇー・・。」

「おーい!圭ちゃーん!!」
「おーう!魅音かー!」

「こんばんわなのですよ。」
「はぅ〜☆梨花ちゃん、巫女さん服が似合ってるよ〜!!」
「ありがとうなのです。にぱ〜☆」


「はぅ



「お持ち帰りするなよ!?」


「はぅ〜・・。じゃ、見てるだけ・・!見てるだけだから!」
「まぁ、それならいいだろうな。法的には問題ないと思う。」

「あははははは!圭ちゃんもやるようになったねぇ!」
「お前が鍛えたんだろうがよ!」
「はいはい!皆さん、はやく五凶爆闘をはじめましょう!梨花には一分一秒が惜しいのですわよ!」
「おっと。そうだったね。よし!じゃあ始めるか!綿流し五凶爆闘ー!!!」
「まってました!さあ魅音!まずはどの露店を荒らしに行くんだ!?」
「そうだねぇ・・。まずはあれだー!!」

ビシ!
魅音が勢い良く指をさした。

「・・タコヤキか・・!!」
「早く食べた人の勝ち!さぁみんな買った買った!」

ルールは単純だ。
タコヤキ8個をいち早く食べた者の勝ち。


「よーい・・」

・・・。


「ファイ!」

「負けませんわー!」
「みぃ。負けないのですよ。」
「ひゃへっへふひはははっはら、はっはほはへはほうはひひふははひほ〜?(しゃべってる暇があったらさっさと食べた方がいいんじゃないの〜?
「あ・・熱い・・。」

「はっはっはっは!!」
「!??」
「貴様らあ!一個づつ食おうなんぞ笑わせるわ!!!」

そう言って俺はタコヤキを長い串に刺していく。

「一気に食っちまえば簡単だあ!! バクッ!!!」

そう言った俺は全てのタコヤキを一気にほおばった。

・・・・・・・・。



「あぢ〜〜〜〜〜〜!!!!



「アッハッハッハ!圭ちゃんいいねぇそれ!アッハッハッハ!!」
「け・・圭一君大丈夫!? ・・は、はい!お水だよ!」

レナから水を受け取ると、乱暴に飲んでいく。

ゴク・・ゴク・・ゴク・・。

「・・ふ〜・・・サ・・サンキュ・・。」
「まったく圭一さんにはほとほと呆れますわ!熱々のタコヤキを一気に8個も口の中に入れればこうなるのは目に見えてるじゃありませんか!!」
「圭一、かわいそかわいそなのです。」

なでなで。

「畜生・・。すでに作られてから時間のたってるやつにすればよかったぜ・・。」
「・・・実においしくないのですよ・・。」



カシャ



シャッターを切る音がした。
「あ・・!富竹さん!」
「やあ圭一君!みんなも!久しぶりだね!」
「こんばんわなのですよ。」
「毎年毎年ごくろうさまですねぇ!富竹のおじさま〜。いつになったらメジャーデビューするんですかぁ〜?」
「うっ・・それは・・。」
「魅音さん!それは言わない約束でしてよ!おひさしぶりですわ。富竹さん。」
「沙都子ちゃん・・。」

「ただでさえ富竹さんは時報という言葉がお似合いになってしまって、影

が薄く、出番があっても時報ネタがほとんどですし、

このお話でようやくまともっぽい役を得たんですわよ!(感想より。)そういうことは言っちゃダメですわ!」


「・・・・富竹さーん。・・大丈夫ですか〜?」

「そうだよ・・どうせ僕は時報だよ・・。でもやっと来たまともな役回りなんだよ?活躍したいと思って何が悪いのさ。僕だって


「富竹さ〜ん。」

・・・・・・・。
「沙都子・・・ダメだろー!富竹さんは自分が時報キャラだって事を気にしてんだぜ?(否定はしない。)」

「ごめんなさいですわ。でもやっぱり時報は時報ですことよ?この後ろくなことが無いのはたしかなのでは?」
「そりゃそうかもな。」
「「「「「アハハハハハハハ!」」」」」



(笑えないよみんな〜・・・。)




「こんばんわ!私達はおひさしぶりじゃないですよね!」

富(・・・・何事も無かったかのように・・・。・・・はぁ・・。)



(ここからはK)・・・・そういや・・あの時感じた違和感は・・何だったんだろうな・・。
・・まぁいいか・・。


「さ〜て・・先日はいろいろとお世話になりましたからねぇ・・・・。今日はタップリ仕返しさせてもらいますからねぇ〜・・!!」
「・・・け、圭一君・・?お世話になったのならお返しじゃないの・・・?」
「いーや仕返しだ!ですよね?時報富竹さん?」

「ははは・・・そんなに根に持たれる事言ったかなぁ?」(今何か余計な一言が聞こえた気が・・。)

そんなに根に持たれる事だとぅ!?
あんたのせいで俺は毎日毎日夢見が悪いっての!

「何々?何の話さ。圭ちゃん?」
「魅音には関係のない事だ!!これは俺の問題だ・・!!今日!この綿流しという最高の舞台で!俺の復讐劇が始まるのだ・・!」


「う〜ん・・話がよく見えないけど・・圭ちゃんを見る限りじゃ選択肢は一つしかないようだね・・!」

俺は異様なまでのオーラを出していた。
当然だ。この時報野郎は今日帰っちまうんだからな・・!!復讐のチャンスが今日しかない以上・・。
俺の精神的苦痛のうさばらしにしてやるぜぇぇぇぇぇぇぇ・・・!!!!!


「富竹次郎氏を雛見沢名誉市民として我が部への入部を許可する!」

「その言葉を待ってたぜ!魅音!富竹さん・・・覚悟してくださいねぇぇぇ!!!」
「圭一さんばかり勝たせませんことよ!私達のことを忘れてもらっては困りますわ!」
「レ・・レナは弱いから、お手柔らかにたのみますね。」

「・・ちょ・・みんな、何の話をしているんだい?」

「富竹も一緒に部活をするのですよ。みんなとゲームをして遊ぶのです。」
「・・なるほど・・。ゲームか。・・・・・・よし!お手柔らかに頼むよ!先輩達!」
「富竹のおじさま〜。今の圭ちゃん、本当にヤバイから、気をつけたほうがいいですよ〜。」
「まったく、怖いくらいですわ・・!本当に、ろくな事をしませんわねぇ!あなたは・・!!」
「・・悪かったね。」

「は・・ははは・・!」

笑ってられるのも今のうちだぜ・・!!


かくして綿流し五凶爆闘は、六凶爆闘に進化をとげたのであった。



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